[図書館紹介]
実習体験記
実習を終えて
約2週間という期間ではあったが,今回の実習期間,とても充実した日々を送れたと思う。自分が想像していたよりも現実はずっと厳しくて,それ以上に,大学の授業だけじゃ分からない図書館の真実のようなものを教えてくれた。

ゆうき図書館は,出来てまだ1年少しという,新しい図書館だ。その分,本の量や,職員たちのマニュアルも少なくて,未だ手探りのような状態だという。それでも,すべてを自分たちで作り上げていることを誇りに,自信をもって行っているように見えた。職員一同,図書館というものに一生懸命で,日々真剣に取り組んでいた。
私も,そんな熱意に負けないように,出来る限りのことをしたつもりだ。私も,実習生という立場ではあるが,きちんと仕事をこなし,少しでも役にたてばという気持ちをもって実習を行った。ミスもしたし,迷惑もかけたと思う。短い期間ではあるが,快く受け入れてくれたゆうき図書館には感謝をしている。

実際に行った作業は,1階と2階の貸出カウンターでの業務。事務所内での雑誌と図書の業務となる。初めは,覚えることで精一杯で,うまく頭を働かせることが出来なかった。授業で習ったことも,実際となると,頭に浮かんでこない。それどころか頭は真っ白になってしまい,迷惑をかけてしまったこともあったと思う。利用者の方にも,不快な思いをさせてしまったかもしれない。

作業自体は,覚えてしまえば誰にでも出来ることで,大切なのは作業の慣れではなくて,毎回違う相手への対応ではないだろうか。相手に気持ちよく利用してもらうために,どうすればいいのか,どう言えばいいのか,毎回反省し考える。それが大事であり,日々学ぶものではないだろうか。そういう,当たり前だけどつい忘れがちなことも改めて認識させてもらった。

私が教えてもらってきた作業を順に追うと,まずは返却カウンターだ。ゆうき図書館では,貸出と返却の作業がそれぞれに独立している。
そのため,返却を行うには,図書館内ではなく,総合カウンターで資料を返すことになっている。そして返された資料は中に運ばれ,返却カウンターのところに置かれる。ここで,返却された資料に傷や汚れがないかチェックをし,無事なものを返却処理していく。
何かしらの修理が必要なものは,しおりくらいの大きさの紙に,日付とどんな傷や汚れなのか状態を書き,本に挟む。無事に返却を通したものは,1〜9類,2階,1階と分けられたラックに分類ごとに入れていく。
一通りの作業は以上だが,この作業は楽しんでやることが出来た。どんな本が借りられているのか,利用者の傾向を見ることも出来るし,それぞれラックに分けるときに,どの本がどの分類に分けられているのか,どこに何があるのかを覚えることが出来るからだ。

すべてを1から10まで暗記することは難しくても,なんとなく体で覚える程度でも,まったくの無知よりは何倍もましだと思う。職員の人の作業を見ていると,本の分類や場所をしっかり覚えていて,いちいち分類記号を確認しなくてもぱぱっと入れることが出来ていたと思う。
私はまだまだ,分類記号を確認しないと分からないし,不安がつきまとってくる。
これは日々行っている時間の差だから,私もそれなりの時間を積まないと出来る芸当ではない。

次に,返却処理された本を配架していく。一度の返却だけでは,何らかの理由で返却を通らなかった本を取りこぼしている可能性もあるということで,2回目はバーコードを読んで返却作業をする。こうすることで,利用者から返された本をしっかりと書架の表示にすることができる。こうして2回目の返却を終えた本を,本棚に並べていくのだが,これが意外と手間がかかった。

1階の配架をしたのだが,まず本棚自体の並び順を覚えることが第一。次に,各本棚の中身の並び順を理解した上で,ようやく配架作業に移れる。分類順に並んでいる本を持ち,本棚に向かうが,本棚を探して,本を入れて整えて…という一連の動作も,初めてでは効率よく動くことが出来ない。

私も,初日はだいぶ時間がかかってしまった。途中,利用者に探している本が見つからないと声をかけられ,慌ててしまった。私ではどうしていいのか分からず,スタッフの方を呼んでどうにか対応した。私が実習生だろうが,初めてその場にいようが,利用者には関係なく,「図書館のスタッフ」となる。その責任の重さと,自分の立場の実感をした日だった。

配架を終え,あとは書架整理に奮闘した。移動したままになっている本を正しい場所に戻したり,ぐちゃぐちゃになっている本棚をきれいに並べたり。この作業も,どこにどんな本があるのか実際に目で見るいい機会だし,どんな本が所蔵されているのか知ることも出来る。

1階は子供向けの本が多いので,それも楽しかった。私も昔読んだ本があったりして,ちょっと懐かしくなったりもした。1階カウンターの業務は,かなり緊張した。利用者の登録,本の貸出,予約資料等の貸出,AV資料の館内閲覧,覚えることが多くて苦労した。

一番恐かったのは,利用者の登録。間違えれば大変なことになる(もちろん,他の作業も間違いはダメだけど)。
登録したカードを渡すときに何を伝えるか,どう伝えるかも難しかった。言いそびれたことがあったり,言葉遣いに気を配ったり,利用者の年齢によってもそれは違うことで,毎回頭を悩まされた。慣れてくれば,焦りもなくなって,それ相応の対応が出来たと思う。

貸出については割と簡単な方で,何度か行えば楽しく対応することが出来た。館内閲覧も,最初は戸惑ってしまい,あたふたして,他のスタッフの方に助けてもらいながら行っていた。慣れるにつれ,作業の仕方も流れるように出来るようになっていったと思う。

そして,急遽ブックスタートというイベントに参加することになった。BCGの注射を受ける3〜4ヶ月の赤ちゃんに本をプレゼントし,注射が乾くまでの間,本の読み聞かせをするという。読み聞かせはボランティアの方がやってくれるとのことで,私は見学をしているはずだったのだが,一緒に読み聞かせをすることになった。

本の読み聞かせ,ましてや赤ちゃんへの読み聞かせなんて初めてのことで,どうしていいのか戸惑った。ボランティアの方のを見よう見まねですることしか出来なかった。でも,お母さん方がとても優しくて,一緒に赤ちゃんに本を読んであげることができた。

まだ3ヶ月の赤ちゃんだから本の内容なんか分からない。
だから,本を読ませても意味がない。なんてことはなくて,意味は分からなくても,赤ちゃんはじっと絵本を見てくれた。ただ絵を見るだけでも,赤ちゃんにとっては良い刺激だと思う。それに,読み聞かせというのは(特に赤ちゃんに対しては)本の内容を理解させるものではなく,お母さんと赤ちゃんのコミュニケーションの一つだと思った。この経験を通して,本というのは単なる情報源だけでなくて,人と人とを結びつけるものでもあるんだなぁと思えた。

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